歴史を大切にしながらも、変化の連続だった−このような印象を持ちながら働いてきた人がいる。一九六三年入社の客室係である。客室の設備や備品の変遷を見守ってきた人だ。「スリッパは備え付けから使い捨てになり、ヘアドライヤーは常備するようになりました。加湿器も最近、入れるようになりましたね。逆に、なくなったものも少なくありません。エアコンがまだ入っていなかった時代、客室の入り口ドアには、戸締りができる葦簾戸を入れて、風通しをよくしたものです。
(参考サイト)
三井ガーデンホテル札幌 - じゃらんnet
http://www.jalan.net/yad378516/
伊勢・二見周辺の宿泊施設・宿 - じゃらんnet
http://www.jalan.net/240000/LRG_241000/
マロウド イン赤坂 - じゃらんnet
http://www.jalan.net/yad328493/
便箋や封筒は朱塗りの文箱に入れてありましたが、それも姿を消しました。三面鏡には、女性がお化粧しやすいように電球が埋め込まれていましたが、いまでは部屋全体が明るい方が好まれるようです」「氷水の入ったポットは昔からですか。スチーム暖房のよく利いた部屋で飲む氷水はおいしいですね」と私が言うと、「あれは、昔からね」と教えてくれた。ともかく、客室のしつらえは変わっても、なすべきことは変わらない。徹底的にきれいにすることである。「昔の先輩は、それはもう厳しい人ばかりでした。家具でも何でも手で撫でては「これで拭いたの?」と注意されたものです。また、光が反射すると、拭き具合が見えますでしょう。顔を傾けながらチェックするのですよ。パントリーで働いていたときは「音を立てて食器を洗うな!」と親方に怒鳴られました。食器の縁が少しでも欠けたら使い物になりませんから、当然と言えば当然でした」だからと言うのではないのだろうが、若いときの教えが染み付いた関係者も若いスタッフには「身だしなみ、身だしなみ!」と口を酸っぱくして言う。「ことに、こういうホテルは、人が見てどう判断するかです。自分だけよければいい、では済まされないのですね。お客様を不愉快な思いにさせては絶対にいけないのです」